T 今回のコンサートは50年卒の先輩からのお誘いでした。
K 嬉しかったです。お誘いくださった諸先輩方と姉が同期であり、茨田君と私たちが57卒同期だなんて。
T それにしても人のご縁って不思議ですね。茨田君が芸大受験のために50年卒の山本先輩にピアノの指導を仰ぎ、今回コンサートの企画などでご尽力くださったコ野先輩のご実家と茨田君のご実家とのご縁、また茨田君が僕たちの同級生であったことなどご縁がつながって今回のお誘いになったのですから。
K 閑静な住宅街にあるほどよくお屋敷の雰囲気を残したたたずまいの素敵なお宅で、会場の雰囲気も室内楽によくあっていてとても心地よかったです。
T そうですね、門をくぐって飛び石づたいに中庭を通り抜け縁側から会場となるお部屋に案内していただきました。室内は奥に大きなグランドピアノが配してあり、その向かって右横に譜面台が用意されていました。欧州の絵画などでみかける室内楽を楽しむサロンを和風にしたようなイメージでしたね。
K ビオラという楽器はオーケストラのなかで見る機会はありますが、単独で演奏するのを楽しむ機会はあまりないように思います。いったいどんな音がするのか、いただいたプログラムを見ながらとても楽しみでした。
T バイオリンに比べて落ち着いた、かといって低すぎず穏やかな音色が和風の室内コンサートにぴったりのように感じました。後ほど茨田君に聞いたのですが、オーケストラでは必要な楽器なのだけれど先ず主役になることは無い楽器だそうで、いつも主旋律を支える裏方さんだそうです。実際に演奏が始まると穏やかな音色はとても心地よくバイオリンのような華やかさやチェロのような朗々とした迫力があるわけではありませんでしたが人に優しい癒やされると言ったらいいのかな、そんな感じの音であり演奏でした。
K 演目はなじみのある曲や少し大きな曲など盛りだくさんでした。ピアノ奏者の山本先輩は日本、ビオラ奏者の茨田君はドイツと離れているお二人で準備も大変だったと思います。先ほどのお話で穏やかで癒やされるとありましたが、演奏されたお二人のお人柄もあるのでは無いでしょうか。
T それにしても、やはり生の演奏は素敵ですね。
K そうですね。特に今回のような室内コンサートでは音の振動も感じることができ全身で音楽を感じることが出来て感動的でした。ふだんクラシックの音楽に触れる機会は特に生の演奏に触れる機会はあまりないのですが、本当にいいものは理屈や慣れ親しんでるかどうかなどといったことを超えて心というか精神にストレートに届いてくるようですね。本当に感動的で心が震えるコンサートでした。
T 僕もこのようなこぢんまりとした演奏会は初めてで、演奏者の息づかいも感じられ一体感が増すというか本当に音楽を楽しむことが出来ましたね。ビオラなどは弦の震えも感じることが出来ました。
K 茨田君はほどよい緊張感と同窓生の前での安心感というか親しみ感というか、とてもいい雰囲気で演奏されていたように感じました。
T 演奏会後のティーパーティーも和やかでいい雰囲気でした。
K 演奏会後に演奏者とお話しするようなことは考えてみればなかなか無いことのように思います。同窓の先輩と同級生といったことで特に違和感もなかったのですが、よくよく考えてみるとこれもまた素敵なことだなと。コ野先輩の手作りお料理は絶品で今も思い出しては食べたくなります。薫り高い本場のお茶、お心のこもったお菓子にフルーツ。美味しかったです。
T まさにサロンのようでしたね。僕もたくさんいただきました。ほとんどガッついてましたね、サロンにふさわしくもう少しお上品にすれば良かったと反省しています。もっと演目のことを知っていればあの曲はどうだこうだと山本先輩や茨田君と話ができたとおもうと少し悔しいです。また、僕などは金蘭会に出ることもないので音楽以外の話でしたがいろんな先輩方とお話しができ交流できたことはとても良い機会でした。
K このような機会がまたあれば嬉しいです。今回のコンサートを準備してくださった先輩方にほんとうに感謝です。ありがとうございました。
T 僕たちの学年も学年の同窓会には同級生が多数出席しますが、このような本当に仲の良さというか気心の知れた仲間が集う会をもつのは大変素晴らしいことだと思います。大手前の卒業生のなかには意外にプロの演奏家や音楽関係でお仕事をされているかたがたがいらっしゃるようです。学年を超えてなにかできるといいですね。
〜画像は3-9徳野千鶴子さんから提供して頂きました〜
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