大阪府立大手前高校昭和50年卒同窓会     学年新聞vol_28  
このプルダウンメニュー から 直接目的のページへジャンプできます  

戻る

vol_28_01   『コンプる』  3-7 勝川 佐江子 


ふっしゃん  2012年1月に縁あってサイゼリヤに入社しました。それ迄は、基本的にフリーランスで、ODA関連の研修監理業務やカウンセリングに従事していました。55歳にして、初めての民間企業勤務。それも外食産業。人生何が起こるか分からないものです。 入社後は、会議や研修などを傍聴、店舗のオペレーション等も観察しました。そこで、気がついたのは、良いところ・出来ていることを認め合うという習慣がないということ。トレーニングはマニュアルに沿って実施されるので、「出来て当たり前」なのです。

 それが社内で「コンプる」を始めたきっかけです。「コンプる」は、私の友人が作った「コンプリメント(compliment)をする」の造語ですが、ただ褒めるということではありません。「相手が肯定されている、受け入れられている、認められていると感じるような言動、態度を示すこと」であり、その表現方法は、「関心を示す、話をよく聴く、笑顔、ねぎらい、感謝、あいづち、肯定的な解釈、重要なことと受け止める」など、無限大。より良い人間関係を築く上での根底にある1番大切なものであると私は認識しています。

 歴史的な事を少し説明すると、1980年代半ばに、問題を深く分析するかわりに、「どうなりたいか」「何を手にいれたいか」という未来イメージ=解決に焦点をあてるという解決志向アプローチ(SFA: Solution Focused Approach)というセラピー手法がアメリカで開発されました。コンプリメント(出来ていることを見つけて伝える)はSFAの重要な要素の一つであり、その後、教育・健康保健の領域で、さらにはビジネスの領域で活用されるようになりました。「人は肯定された時、変化へと向かう」と言われています。自信がつき、自己肯定感が増し、行動が変化するのです。

日本経済新聞2012年12月25日朝刊に「コンプる」のことが掲載されました。

新聞記事はここをクリックしてご覧下さい


 新聞に掲載されているように、昨年の3月から店舗運営部を中心にワークをしてきました。ワーク直後の感想では、良い所を見つけようと思って聴くと視点が増える、コンプることでよい面を引き出すことができるなど、ほぼ全員が前向きな感想。3週間後の実態アンケートでは、9割以上の参加者が仕事やプライベートで「コンプる」を実践し、その効果を実感しています。今後は、『「コンプる」をする』から『いつも「コンプる」でいる』というように、皆の意識が深まり、定着していくように支援をしていきたいと考えています。

(追記)  新聞記事は、私の伝えたかった事が半分くらいは書かれているでしょうか。記者さんには、「コンプる」はただ褒めるということではないということを再三お話していたのですが、記者さんには記者さんの意図や思惑があり、その見解が記事に反映されているようです。好意的に書かれているので、私はよしとしていますが。


戻る