大阪府立大手前高校昭和50年卒同窓会     学年新聞vol_21  
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vol_21_01    オミックス基盤研究領域(理化学研究所)見学記  3-3 高崎智彦 


理化学研究所  4月29日(昭和の日)に、理化学研究所横浜研究所のオミックス基盤研究を見学させてもらうため、領域長である林崎良英さんを訪ねて説明、案内してもらいました。同窓生16名、ご子息4名の総勢20人でお邪魔しました。オミックスは細胞内のあらゆる分子情報を明らかにし解析する学問だそうです。「オーム」(ome)はもともとギリシャ語の「すべて・完全」などを意味する接尾辞に由来し、ome+ゲノミクス、プロテオミクスのミクスを合わせた造語?だそうです。

 最新式の遺伝子解析装置、理研が最初に作った遺伝子解析装置(確かにでかい)も見せもらい、細胞の中でどういうことが行われているのかといった動画も見ることができました。これはYouTubeでもみることができます(下記サイト)。

  http://www.youtube.com/watch?v=EgweXtBCynE

 講演では、アメリカなどがヒトゲノムに注目している時に、林崎チームの成功はRNA機能を反映するcDNA(相補的DNA)に着目し完全長cDNAを解明したことにあったのだと理解しました。話の中で興味深かったのは、糖尿病でも感受性遺伝子が随分同定されていることでした。また、一年以内には個人のDNA配列(約30億個)が20万円くらいで同定してもらえるそうです。ただし、解析はついていないそうですので、データをもらったら自分自身で解析しなければいけないそうですが、まあへたに解析しない方がいいかも知れません。

 参加者の内4人が、SmartAmp(SMAP)という迅速診断法でお酒に強いか弱いかをアセトアルデヒド分解酵素の遺伝子配列を読むことで、見学終了までに判定してもらいました。この方法は、血液を前処理することもなく、林崎さんの秘書さんに一週間前に検査手技を教えて、実際にデモしてもらったという簡便で迅速な最新検査技術です。ウイルスの分野でも1アミノ酸の違いが、病原性や感受性に大きな違いを引き起こすことは結構あることで、インフルエンザウイルスではすでに応用しているわけですが、SmartAmpはいろんな領域で応用できる技術だと思いました。オミックスという名前はどういう由来だろうと思わせて興味をひきますが、SMAPはまた記憶に残る名前です。

 遺伝子(DNA、RNA)を目で見ることができるようにしたペンダントも記念品としてもらいました。細胞の中に存在する遺伝子が見ることができることを一般の人に知ってもらえるアイデアグッズですね。山中伸弥先生のiPS細胞の成功は、林崎さんの公開データなくしてはなしえなかったわけで、林崎さんの率いる理化学研究所オミックス基盤研究チームがますます発展し、医学に寄与することを期待しています。
      画像は 【こちら】 からご覧ください。

                       2010年5月1日  
                       高崎智彦(3年3組)


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