【某年某月某日】
寝ている犬を上から見たところ。
…と、言わずもがなの説明的文章。
よくこのような姿で寝ている。
何ということもないのだが撮ってみた。
気に入りの一枚である。
ちなみにこの時、下半身はかくのごときである。
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【某年某月某日】
「おばあちゃん、ですよね」
散歩の途中見知らぬ御仁にそう言われた。
いや違うのだが。
年齢も性別も違っている。
そう見えるかと思って見ればなるほどまつ毛が白い。
それで老犬に見えるのやも知れぬ。
一応、壮年でオスなのだがなとフクザツな気分である。
そう言えば血統書にも「メス」と誤記されてあった。
件の血統書は即刻シュレッダーに消え、もはや無い。
今や立派な「そんじょそこらの犬」である。
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【某年某月某日】
珍しく吠えている。
こやつが吠えている相手は「掃除機」である。
普段は吠えぬ犬で、我家には非常に稀な訪問者や客人にしか吠えない。
<蜀犬ハ陽ヲ見テ吠ユ>と聞く。
我家ではそれほど掃除機との遭遇が稀なのであろうかと思ったが
妻には言わぬことにした。

【某年某月某日】
雪の日。
まさしく、「犬は喜び庭駆け回り」の最中である。
ビビリの割には、雪が大好きである。
音が吸収されるせいもあろう。
はしゃぎ、飛びつき、素晴らしいスピードで駆け抜けていく。
写真フレームのえらく端に写っているのは速いためで、
小生の腕では動体の速度にカメラの動きが追いつかぬ。
ふと、気配が消える。
茂みの中で我が犬を見失う。
と、次の瞬間、背後にじっと佇んでいるのを見出す。
北風に耳を立て、目と耳で何かを追っているのだ。
雪の日の犬は、魅力的である。
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