大阪府立大手前高校昭和50年卒同窓会     学年新聞vol_15  
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vol_15_04    柴犬日記(前編)   by 寝惚堂主人 

【某年某月某日 その1】

くつろいでいる姿を撮った訳ではない。
信じようと信じまいと、これは長の留守の後、小生が帰宅したときの我が犬の姿である。
普通、犬は人につき従うもの、と思われているのではないだろうか。
小生もそうであった。この犬を飼うまでは。
犬を飼う者誰しもが期待する、帰宅時の熱烈歓迎、ちぎれんばかりに振られる尾。
…それは柴犬を飼う者には望むべくもないのである。
「ふーん、帰ってきたんだ」
「おう、帰ってきてやったぜ」
こうした会話が目と目で交わされる、柴犬との日々。

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【某年某月某日 その2】

散歩途中の姿である。
柴犬らしい軽い足取り、壮年に差し掛かった犬にふさわしい落ち着き。
周囲に適度な注意を払いつつ美しく歩く。
しかしこの姿にダマされてはならない。
この次の瞬間、こ奴はハタめく自転車カバーに腰を抜かし、 力強く逃走をはかったのである。 尻尾はしっかりとマタの間に挟み込まれ、 犬というよりはヌートリアかなんぞのようであった。
ノボリやら工事現場のシートやらゴミ袋、公園で敷かれようとするピクニックシート、 果ては通り沿いの家の2階に干された洗濯物に至るまで、 「ハタめくもの」はこ奴にとって脅威である。
「りりしい」姿の維持のため、飼い主は犬より早くそれらのものに気づき、 注意深くルートを変更せねばならぬ。

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【某年某月某日 その3】
「落雷」クリックすると元の大きさで表示
このアラレもない姿は雷鳴轟く中で撮影されたものである。
まことに見苦しいモノをお見せして心苦しいが、 この犬の夏の生活を語るにはハズせないシーンなのだ。
本人は大パニックのさ中であるので憐れんでやって欲しい。
「もうじきに通り過ぎるによって、まぁ、待ちや」
飼い主はうちわ片手にやさしく見守るのみである。
決して心の中で ざまぁないゼ、などとほくそ笑んではいけない。

【某年某月某日 その4】

豊かなる昼寝。
何を夢見るのか時々吠えたり走ったりしている。
「きゅ」「きゅわん」……吠え声である。
「かささかさかさ」……足は小刻みに動いている。
やがてそれらが静まると「寝ようよ光線」があたりに照射され、
飼い主も眠りに落ちる。至福の午後。

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